柿渋
現在の住宅の防腐・防蟻・防カビ材が健康に及ぼす影響は、かなり大きいと思われます。なぜなら、虫が嫌うもの、カビが嫌うもの、それを化学物質で製造しているからです。虫が死ぬ化学物質が、人体に良いはずはありません。
自然界には、植物自身が虫、鳥、カビなどから身を守るための「技」を持ったものが数多く存在します。渋柿の渋みは、ポリフェノールの一種である、「タンニン」という成分の仕業です。
渋柿から作る柿渋は、古来、鳥居の防腐、投網の防腐に広く使用されていました。
柿渋は人間にとっては無害であるどころか、昔から万能の民間伝承薬として使われていました。ヘビや蛭、虫などに噛まれた時や、火傷やしもやけにも柿渋を塗ると治ると言われていたり、戦時中は医術書の中に「飲む薬」として記載もされていたそうです。
柿渋は、木や紙に塗るとその脂と反応して樹脂化します。このしくみを利用したのが、昔懐かしい番傘です。
樹脂化したものは長い年月が経ってもその姿や耐久性を失いません。
人工の化学物質の力を借りなくても、大いなる自然は素晴らしい素材を私たちに与えてくれているのです。
無添加住宅では、防腐・防虫・防カビには渋柿を使用。基礎部とバルコニーに塗り、建具には独特の光沢を出す塗料としても使っています。自然素材の「抗菌効果」の中で、あなたも暮らしてみませんか?